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作成: 2025-07-29 00:14

文字入力に興味があることは説明しましたが、ここではそれについて詳しく説明します。

まず、お断りですが、これらはなにか専門的な教育を受けたわけではなく(そもそもそんなものはない)、わたしがインターネット上の多くの情報を見て、自分なりに解釈したものです。ですから、数学的に(?)とか、人間工学的に厳密かどうかは、全くわかりませんし、多分そうではないので(そういう方向でやろうとしている人もいますが)、そういうことをわかった上で、お読みください。

あなたがもしこのページをパソコンから見ているのなら、その入力に使っているキーボードは、おそらくQWERTY配列によるローマ字入力でしょう。これは、最も一般的です。

しかし、QWERTY配列によるローマ字入力は、かなり多くの問題点を抱えています。例えば、 左小指のAをよく使うので、小指が痛くなりやすい。 左人差し指のホームポジションにあるFは同じく左人差し指にあるTに比べて全く使わないので、もったいない。 右人差し指のホームポジションにあるJは同じく右人差し指にあるNやUに比べ全く使わないので、もったいない。 「ひゃ」「ひゅ」「ひょ」や「にゃ」「にゅ」「にょ」、「みゃ」「みゅ」「みょ」が打ちにくい(hy、ny、myという指運びがつらい)。 よく出てくる「き」や「で」が同じ指の連続で早く打てない。 「ー」が打ちづらい。 などなど。他にも、様々な点が指摘されています(参考:大岡俊彦さんのブログ)

QWERTY配列によるローマ字入力は、それこそパソコンを扱うほとんどの人が行いますから、これらの問題点には対策法があります。 タイピングを競技として楽しむようないわゆる「タイパー」と呼ばれる人たちは、「最適化」という技術(参考:パソ活さんのブログ)を生み出し、利用しています(そうじゃないタイパーもいます)。

一方、そもそもの文字の配置を動かして、これに対応する人たちもいます。いくつか有名だと思われるものを紹介します。 August Dvorakさんが考えた、Dvorak配列 森田正典さんが考えた、M式(これは、少し特殊です)。 とみすけさんが考えた、Tomisuke配列 などなど。他にも、様々な配列がありますが、私はあまりここの専門では無いので省略します。

(あんな思いっきりQWERTY配列によるローマ字入力をするタイピングゲームを企画しといてこんなに批判するのは筋が通らぬ話ではあります)

ところで、QWERTY配列によるローマ字入力を行っていない人も、いるでしょう。おそらく、キーボードに印字されているJISかな配列(JIS X 6002)のひらがなをそのまま打つ、かな入力をされているのではないでしょうか。これなら、先程挙げた、QWERTY配列によるローマ字入力の問題点は、回避できます。しかし、JISかな配列によるかな入力は、それはそれで、別の問題点が指摘されています。例えば、 (清濁同置で)かな入力をする上で、もっとも多く入力することになる濁点(゛)が、右小指の上の段の右側にあって、打ちづらく、疲れやすい。 先程の濁点を含む、多くのキーが、ホームポジションから見ると、右小指で打つキー(小指外とも言います)に配置されており、間違えやすく、疲れやすい。 かな入力をする上で、2~3番目によく打つ「ん」が、yにあって、打ちづらい。 QWERTY配列では、数字が配置されている、ホームポジションから2つ上の段(数字段とか、4段目とかとも言います)にも、ひらがなが配置されているため、打ちづらい。 数字段に小指外まで使っているのに、それでもキーの数が足りなくて、一部の文字は、小指のシフトによる入力をする必要がある。 などなど。QWERTY配列によるローマ字入力と同じように、他にも、様々な点が指摘されています(参考:同じく大岡俊彦さんのブログ)

これへの対策にも、最適化があります。当然、文字の配置を変えたものもあります。 とりあえず、歴史順に紹介します。 まず富士通が親指シフトというのを考えました。英語ではスペースキーをよく使いますが日本語では英語ほど使わないのでそれをシフトキーにしてしまえという考えのもと、反対の手のシフトキーを押しながらだと濁音になったりとかして、qwertyとかJISかなよりは確かに効率的でした。 次に新JIS配列というのが考えられました。これは当時の通産省が主体となって、いろいろ実験したりデータをたくさん集めたりして、小指ではなくセンターシフトなら今の基準から見てもかなりいい配列ができました。普及しなかったので、廃止されましたが。 次にTRONかな配列が考えられました。これもまた解析したり専用キーボード作ったりでqwertyやJISかなより効率的でした。これも親指シフト方式でした。 誤解を招かないように言っておくと、「親指シフト」には複数意味があって、ひとつは富士通が作った配列で、もう一つは親指の位置にある左右それぞれ1つのシフトキーを押しながらそれ以外のキーを押すと出力される文字が変化するシフト方式のことです。これを避けるために前者はNICOLA、後者は「方式」をつけて書かれることもあります。 次に花配列が考えられました。シフトキーというのは普通に考えて頻度が非常に高いものだから、親指とか小指ではなく器用で長い中指のホームポジションに置くことで、配列の設計を始めるという「中指シフト方式」が初めて使用された配列で、これもqwertyやJISかなより効率的な配列となりました。この方式では、中指シフトのD,Kは先に打鍵し、後から別の例えばOやSを打鍵するして文字を出力する、ということになっていました。これを前置シフトと言います。 これら4つはこの後出てくるほとんどのかな配列に影響を与える重要な配列です。あと、ここからは時系列がぐちゃぐちゃになります。 その後、親指シフト方式を採用した飛鳥配列が登場します。計算とかではなく全部人力で大量の評価打鍵を長い時間をかけてすることで完成しました。「楽しく・素早く・話すリズムで・エレガントな指使いで」という打鍵法の特徴を持ち、「全てのカナや記号の場所に根拠がある」らしいです。残念ながら、そのページの一部は消えてしまったのですが。外から見ると、めちゃくちゃホームポジションにこだわった配列だ、という印象です。 シン蜂蜜小梅配列というものもあります。これは比較的最近にできた配列で、清音を覚えれば濁音半濁音拗音も文字キーの同時打鍵で簡単に(記憶負荷が軽く)出力することができるのが特徴です。 あまのあすか配列というものもあります。これは親指の2キーもシフトとして扱いますが、更に文字キーの一部もシフトキーとして扱うことで、拗音や外来音も1動作で入力することができます。 親指シフト方式では他にも、さら配列、雀配列、計算による評価を行った翡翠配列や虞美人草配列などがあります。 また、「センターシフト」方式もあります。これは左右で共通のスペースバーをシフトキーとする方式で、親指シフトが2つなのに対して1つのものがこう呼ばれています。 これはさっきの新JISが採用していますが、あれは小指の普通のShiftキーでもokということになっています。 センターシフトの代表として薙刀式が存在します。これも比較的新しい配列で、配置を工夫して清音を覚えれば濁音半濁音拗音外来音小書きを文字キーの同時打鍵で簡単に(記憶負荷が軽く)全て簡単に出力できるようになっています。また、全て人力で作られており、作者の哲学が配置にとても反映されています。その内容が書かれたブログは他にも配列について色々まとめてくれているので興味がある人は読むのをおすすめします。更に、打鍵範囲が狭く、機能キー(enterやbackspace)や記号類が打ちやすいです。 また、2chで新JISに中指シフトを組み合わせた月配列が登場します。文字キー領域に専念できるかな配列で下段の利用率が少なく、キーボードも選ばないので、qwertyローマ字入力を使っていた人が比較的馴染みやすい配列です。掲示板の人々で大まかな仕様を探りながらそれぞれが自分で使いやすいようにアレンジした私家版を使っています。 その中でも一番有名で標準的なのは月2-263です。他の月に限らない様々な配列のベンチマークとして、十分な性能があり、やったことないですが何のソフトも入れないwindows標準環境(MS-IME)で実装可能なはずです。弱点として、例えば「び」などのもとになる清音の頻度が低い濁音は3打鍵になりローマ字入力より遅いこと、更にその拗音になると最大5打鍵必要で、やはりローマ字入力より遅いことが挙げられます。 月配列Uでは、薬指のホームポジションもシフトキーに使うことで、濁音と半濁音も2打鍵で入力できるようになります。よって、拗音も最大4打鍵までで打つことができます。 月配列の他の私家版には月配列K、月配列T、朧月配列、月配列E、三日月配列、月配列4-698、月配列Yなどがあります。探せばまだまだあります。 月配列Uを前置シフトではなく文字キーの同時打鍵で打てるようにするという方向で作られたのが、下駄配列です。中指薬指のホームポジションだけではなく、それ以外の様々なキーもシフトキーにすることで、拗音や外来音も1動作で入力することができるのが特徴です。 そして、同じ作者の人が新たに練り直した配列が新下駄配列です。非常に完成度が高く、その作成記はこれから自分で新しく配列を作るなら絶対に読んでおくべきだと思っています。 また、遺伝的アルゴリズムで作られた○配列というものも存在します。月配列というか新JISの弱点である「口語調・ですます調に弱い」という欠点を克服しています。 また、月配列5-315の作者の計算によって作られたぶな配列というものもあります。左右2つあるシフトキーを押したときにそれぞれ別のシフト面に移行する同手シフトを採用しており、濁音半濁音を別に配置してもシフトキーは2つで済んでいるという特徴があります。 通常句読点を打ったあとは変換をするため、句読点をシフトキーに置き、続けてかなを打つ場合は句読点をキャンセルしたり(これは月配列Uで取り入れられている)、「ゃゅょ」などを表のキーに出し、通常存在しないかなの組み合わせ(うゃなど)を「ちゃ」として出力するキー共有という方式を採用したハイブリッド月配列は、濁音の一部と半濁音について行段的な覚えやすい方法を使用することで、打鍵数を抑えることに成功しています。 また、TRONかな配列を中指シフト化し、キー共有のアイデアを加えたブリ中トロ配列も、高い効率と少ない悪運指を両立しています。 また、大量の4-gramデータを解析し、キー共有などのアイデアを加えた(おそらく月見草v1のほうがハイブリッド月配列より採用は早い段階であった?)月見草配列v3は、capslockと左shiftキーを使いますが句読点を1打と数えるならJISかな配列より打鍵数が少ない計算になるそうです。これは3段配列としては驚異的です。

しかし、キーボードの文字の配列の変更では変換という行為がつきまとってきます。後攻が孝行になったりして、打ち直して今度は2回スペース押して、学習されてまた間違えるというのを何回経験しましたか?。まあ私は元々タイピングゲームの記録更新が目的なので、変換がないタイピングゲームが多い今はあんまり意味ないんですが、3年も経つとこれも解決したくなってきました。そこで登場するのが、漢字直接入力です。略して漢直。意味はそのまま、特定の打鍵に特定の漢字を割り当て、直接入力する方式です。常用漢字は約2000、jis第一水準で約3000もあるので、それらを覚えるのは簡単ではありません。変換技術がなかった時代からあるものは、語呂合わせで対応しています。更に使う漢字が多い中国では音で入力したり特定の字形を組み合わせたりして入力しています。このように、何かを連想しながら入力する漢直をそのまま連想式、何も連想できない漢直を無連想式といいます。連想式には、漢字を分解してひらがなの形に当てはめそのひらがなを入力する葦手入力やjisコードから連想するphoenixが存在します。そして無連想式には、T-CodeやTUT-Code、G-Codeが存在します。これやってる人本当にすごいと思う。 本当に最速を目指すなら、和音漢直やスピードワープロ(ステノワード)といった、ある文字列を複数キーの同時押しで入力するのが一番いいんでしょうけど、これは覚えるのが修羅の道すぎるので、無理でしょうね。動画あるんですが… あと、個人的にステノワードは固有名詞が多すぎて、何十年か経つともう使わないようなキーの組み合わせがあるんじゃないかと思っています。 打鍵を考える上で、いくつか重要なポイントがあります。まず、左右交互打鍵とアルペジオです。そういう論文はわりと左右の手を交互に使う左右交互推しですが、個人的にはどう考えても同手異指のアルペジオが速い気がします。タイパーも同じ感じらしいです。この差がなんで生まれるのかはよくわかっていません。 指の使用率も、人によって最適値が変わってきます。大量に打鍵するかつタイパー的な速さは必要ない人は打鍵数が多くなったとしても人差し指や中指などをよく使った方がいいでしょうし(これは薙刀式の特徴です)、その逆で速さを求めるなら小指も薬指も使ったほうがいいでしょう(いろは坂配列や龍配列などがあります)。 他には、頻度の分散があります。タイパー的には、特定の少数キーに頻度が偏っていると、何回も同じキーを打つことがボトルネックになって速さが出にくいそうです。そうだとしてシフトキーをいくつかに増やすと非シフトがだんだん文字ではないもので埋まってきて効率が下がることになります。これがどれくらい許容されるのかはまだわかっていません。qwertyローマ字入力の母音程度なら許されるというのはこれで高い記録が出ているとおりです。 これから配列を変えたいけど特にどれがいいかわからないという人への個人的なおすすめはいろは坂配列の作者さんが作られた月林檎配列です。月2-263の次のスタンダードになってもいいと思っています。capslockにすでに別のctrlとか割り当ててないならですが。でも、capslockに割り当てる系は他にも八重桜配列とか月見草v3とかあるので、全然問題ないと思います。実際小指外ってすぐ疲れるけどかなり打ちやすいので… ちなみに私は月見草系のかなの自作配列を使っています(今までつくってきた配列の内公開できるものの一覧はこちら)。そのうち漢直をやりたいですが、大変そうです。 一応かな配列に関しては月系にだいぶ偏りはあるもののほとんど網羅してると思いますが、ローマ字に関してはよく知らないのであまり情報を載せられませんでした。今すごそうなのはこれだと思うんですが、日英両立や母音分離なかなとは別の考慮要素があるのでなんとも言えません。そういうリンク集みたいなのもそのうち作りたいです。

最終更新: 2025-11-20 02:07